個人事業主とマイクロ法人の二刀流で事業をしているみなさんは
- 確定申告で個人の所得税
- 決算でマイクロ法人の法人税
を算出して納税をします。二刀流の場合は個人事業で本業をしていて、確定申告も自分でやっている人がほとんどではないでしょうか。ここで算出された所得税を元に住民税も決まりますし、確定申告はとっても重要なイベントです。
せっかく社保の最適化を目的にマイクロ法人を作ったので、個人の所得税も抜かりなく節税していきたい。入力忘れ、申告漏れなどないように注意して確定申告はしたいですよね。この記事では個人事業主とマイクロ法人の二刀流の場合の確定申告の注意点、忘れがちな申告項目をご紹介します。
この記事を読んでわかること
- 青色申告で65万円の控除を使う方法
- マイクロ法人の給与はどうすればいい?
- iDeCoや小規模企業共済の申告
- 少額減価償却を利用するときの注意点
では始めましょう♪
個人事業主とマイクロ法人の二刀流の【確定申告の注意点】
確定申告方法
確定申告では前年の1/1~12/31までの所得などを計算して所得税を算出・納税します。会社員時代は所得税は源泉徴収されているのでの、確定申告では主にふるさと納税、医療費控除など節税になる申告をして払い過ぎた税金を受け取ることが多いですが、個人事業の場合は源泉徴収がないので「所得税を納税する」ことが主な目的です。
申告方法
青色申告で65万円の控除を利用するためには「電子申告」が必須です。電子申告はパソコンやスマホから確定申告します。スマホ申告のメリットはマイナンバーカードリーダーが不要ということ。ほとんどのスマホが対応していますし、普段PCを使い慣れていない方も操作がしやすいと思います。
電子申告に利用するツール
電子申告の方法ですが、会計ソフトで申告書・青色申告決算書を作成してWEBかスマホから申告します。
私はマネーフォワードクラウド確定申告を利用していますが、すでに最新の確定申告ページができており、下のような画面が表示されます。
- スマホで電子申告
- e-Taxで電子申告
「電子申告」は申告の事前準備として、利用者識別番号の発行が必要です。
マイナンバーカードを読み込んで利用者識別番号を発行するために、WEBの場合はカードリーダーから、スマホの場合はマイナンバーカード読み取り対応のスマホからマイナンバーを読み込みます。
またマイナポータルとe-Taxを紐づけることでマイナポータル上のデータを反映させることもできるようです。ただ、このマイナポータルから紐付け作業をしてみたんですが、このマイナポータルがかな〜り使いづらく、永遠にログインのループという洗礼を受けてなんとか紐付けできました(笑)。マイナポータル連携をしなくてもスマホで電子申告ができるので、基本的には連携しないで申告するほうが無難でしょう。
私も先日確定申告を終えましたが、申告書の作成はマネフォのWEB上で行い、マネフォのスマホアプリから申告するという方法で行いました。PCの方が画面が大きく申告書の入力などは楽だったのでおすすめです。
二刀流の注意点!確定申告で忘れずに申告するもの
マイクロ法人の給与
個人事業主とマイクロ法人の二刀流で事業をしている方は、忘れずに、マイクロ法人からの給与を入力しましょう。入力元になる書類はマイクロ法人の源泉徴収票です。
源泉徴収票は年末調整の時に作成した方が多いと思います。まだ作成していない方はマイクロ法人の会計ソフトから作成できる機能があり、マネーフォワードクラウドの場合はクラウド年末調整から作成できます。または昨年分の金額を自力で計算しても大丈夫です。確定申告で源泉徴収票の添付は必要ありません。
入力する項目
- 支払金額(天引き前)
- 個人負担分の社会保険料
- 源泉徴収税額
入力方法は利用するツールにより異なりますが、上の3つを所定箇所に入力すれば大丈夫です。
会社員時代の給与
「会社員から独立して二刀流を始めた」という方は前の会社から受け取った源泉徴収票を元に給与情報を入力します。会社員時代は源泉徴収されてますが、確定申告では1年間の全ての収入を申告します。確定申告では控除の申告もするので、税金を払い過ぎている場合は最終的な納付所得税の金額も減ります。
マイクロ法人の給与と同じく「給与」項目に
- 支払金額(天引き前)
- 個人負担分の社会保険料
- 源泉徴収税額
を入力します。
iDeCo
独立・起業を機に加入した方も多いと思われるのがiDeCo。掛け金全額が所得控除になるので忘れずに申告しましょう。掛金払込証明書をもとに「小規模企業共済等掛金控除」の欄に入力します。
掛金払込証明書
この掛金払込証明書はiDeCo加入時期によって送られてくる時期が変わるので手元にあるか確認してみてくださいね。こちらもe-Taxによる申告では添付不要です。電子申告の場合ほとんど控除証明書等の添付は不要です。
e-Taxを利用して所得税の確定申告書を提出する場合の「生命保険料控除の証明書」などの第三者作成書類の添付省略の制度について教えてください。
これからiDeCoを利用して節税したい!というかたはこちらの記事も是非読んでみてください。
小規模企業共済
小規模企業共済も二刀流を始めるにあたって節税目的で利用し始めた方も多いのではないでしょうか。iDeCoと同じく掛金全額が所得控除になります。
掛金払込証明書をもとに「小規模企業共済等掛金控除」の欄に前年度支払った金額を入力します。
iDeCoと同じく加入時期によって郵送される時期は異なりますが「掛金払込証明書」が届いたらこれを元に入力していきましょう。
小規模企業共済への加入方法はこちらの記事で解説しています。
その他忘れずに申告するもの
二刀流とは直接関係ないですが、確定申告で申告できる、節税になる控除たちを一部ご紹介します。少しでも税金を抑えるために忘れずに申告しましょう。
- 配偶者・扶養控除
- ふるさと納税
- 住宅ローン控除
- 医療費控除など…
ふるさと納税は納税先のそれぞれの自治体から寄付金の受領書などをもらわなくても、ふるさと納税サイトから「寄附金控除に関する証明書」を取り寄せて添付すれば申告できるようになりました。
令和3年分の確定申告からふるさと納税(寄附金控除)の申告手続が簡素化されます
これで申告がかな〜り便利になりました。「寄附金控除に関する証明書」の発行にはお使いのふるさと納税サイトから申請が必要なので忘れずにしておきましょう。
ちなみにふるさと納税のワンストップ特例を利用した場合でも、確定申告するならワンストップ特例は無効になります。ワンストップ特例の利用有無に関わらず、必ず確定申告で申告するように注意しましょう。
中小企業者の少額減価償却資産を利用する場合
中小企業者の少額減価償却資産を利用した方もかなり多いのではないでしょうか。30万円未満のパソコンなどを定年で減価償却せず一括償却できる制度です。
これを申告する時も注意点があります。
この制度の適用を受けるためには、確定申告書に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付することが必要とされています。
ただし、青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に次の事項を記載して確定申告書に添付して提出し、かつ、当該少額減価償却資産の取得価額の明細を別途保管することにより適用を受けることができます。
①少額減価償却資産の取得価額の合計額 ②少額減価償却資産について租税特別措置法第28条の2を適用する旨 ③少額減価償却資産の取得価額の明細を別途保管している旨
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/0307/01.htm
ここにある通り、本来は少額減価償却資産で一括償却する場合は、明細書の添付が必要ですが、青色申告決算書に①②③を記載すれば明細は添付不要になります。
会計ソフトを使っている場合の青色申告決算書への記載ですが、固定資産台帳と連携されているので、摘要欄に「租法28の2(明細を別途保管)」と入力しておけば青色申告決算書に以下のように反映されます。
【マネーフォワードの例】
まとめ
この記事では個人事業主とマイクロ法人の二刀流の確定申告の注意点についてご紹介しました。忘れがちなマイクロ法人の給与情報や退職した会社の給与情報も忘れずに申告しましょう。
今回マネーフォワードの例を出しましたが、freeeでも同様の機能があります。面倒な書類作成は会計ソフトに任せておけば自動で作成できて、書類の提出漏れもなく安心です。確定申告時は会計ソフトを存分に活用していきましょう!
以上、お読みいただきありがとうございました!
コメント