マイクロ法人、源泉徴収してなくても年末調整は必要?

マイクロ法人、源泉徴収してなくても年末調整は必要? マイクロ法人
 

個人事業主とマイクロ法人の二刀流で事業をしているけど、年末調整は必要なの?

年末の恒例イベント、年末調整。個人事業主とマイクロ法人の二刀流で事業を行っているみなさんは、

  1. 会社として年末調整を行う
  2. 会社の社員として年末調整の書類を提出
  3. 個人事業主として確定申告もする

というように三者の役割があり、年末調整でやることがたくさん。どこで何をするのか本当にややこしいですよね…

私も今年独立して個人事業主とマイクロ法人の二刀流で事業を始めました。先日年末調整の書類が届き、いろいろと調べて確認して無事に手続きが終わりました。今回は二刀流の場合の年末調整でやることについて私が調べて実際に行ったことについて共有します!(手続き方法については税理士にも確認しています)

この記事を読んでわかること

  • 法人1年目に向けた年末調整の流れ
  • 源泉徴収税なしでも年末調整でやること
  • 年末調整でやらないこと・確定申告でやること
  • 年末調整で必要なデバイス

では始めましょう♪

マイクロ法人、源泉徴収税がなくても年末調整は必要?

年末調整は必要?

そもそも年末調整とは会社が社員の正しい所得税を計算するために行う処理です。

ここで疑問、個人事業主とマイクロ法人の二刀流で事業をしている人はほとんど役員報酬を45,000円以下など「無税」の範囲で設定していると思います。この場合マイクロ法人は源泉徴収していません。

*税金のかからない役員報酬についてはこちらで詳しく解説しています
マイクロ法人の役員報酬・売上目標の決め方【いくらなら無税!?】

源泉徴収をしていないけど年末調整は必要なの?
なんか色々書類届いたけど還付もないし何の書類も提出しなくていいでしょ~
 
と思いがちですが…源泉徴収税がなくても年末調整は必要です。ちゃんと手続きしておかないと後で税務署に突かれることもあるのでちゃんとやりましょう。とは言っても確定申告もするのでそこまでややこしい手続きは必要ありませんし、提出書類も少ないです。
 
結論としては
年末調整で書類の提出が必要。各種控除の申告は確定申告で全部やりましょう。

というわけで、どんな手続きが必要なのか詳しく見ていきましょう。

年末調整の流れ

【会社】11月:税務署から届く茶封筒

まずは年末調整の流れを簡単におさらいしておきましょう。11月の中旬ごろに法人住所宛に年末調整関係書類の茶封筒が届きます。中身はこんな感じです。

  • 年末調整のしかた
  • 法定調書の作成と提出の手引き書類
  • 法定調書合計表
  • 源泉徴収税額表(法人設立後1ヶ月度くらいにも届いたものと同じ)
  • 領収済通知書(所得税徴収高計算書)

下の2つについては法人設立後1ヶ月後ぐらいに届いた源泉徴収に関する書類と同じものです。社員が提出する扶養控除申告書などの書類は入っていませんでした。

【社員と会社】翌年1月末日まで:申告書の作成と還付金の計算や法定調書の作成

さて、茶封筒が届いてから何をすればいいのかは「会社と社員」という2つの役割で分けて考えると分かりやすいです。個人事業主とマイクロ法人の二刀流の場合は自分自身が「会社」であり「社員(役員)」でもあります。そこで下の表のようにそれぞれでやることを区別してみます。

役員個人扶養控除申告書などの年末調整に関わる書類を記入
マイクロ法人役員個人から受け取った書類をもとに還付金の計算・法定調書の作成
法定調書を税務署に提出する

どちらも結局自分で全部やるのでややこしいですが、次の章で詳しく解説します!

【会社】翌年1月末日まで:法定調書を税務署に提出

作成した法定調書を翌年1月末までに税務署に提出します。法定調書は後述するe-Taxを利用して作成・提出します。

【会社】翌年1月末日まで:給与支払報告書を市区町村に提出

従業員の住民税を決定するために従業員が居住する市区町村に給与支払報告書を提出します。こちらの記事で詳しく解説しています。

さて、年末調整の大まかな流れは以上です。それぞれの役割でやることについて細かく見ていきましょう。

役員個人としてやること

まず社員 = 役員個人として年末調整の申告書の記入をしてマイクロ法人に提出します。記入する書類は以下の3種類です。

これらの書類は法人宛に送られてきた茶封筒には同封されていません。上のリンクをクリックすると国税庁のURLに飛ぶので(令和3年11月現在)入力用のPDFをダウンロードできます。マネーフォワードのような会計ソフトを使わない場合は直接ここからダウンロードして記入しましょう。プリントアウトは不要です。

記入した書類は会社に提出しますが、二刀流の場合は自分自身です。マイクロ法人で電子保存して管理しておけば大丈夫です。

控除申告は確定申告でやる

さて、扶養控除・生命保険控除・住宅ローン控除などを利用する場合は通常上にあげた3種類の書類で申告しますが、年末調整で申告すると還付金が発生して払い過ぎた所得税を戻す処理が必要になります。

還付金の支払いは会社が行う場合と、税務署が行う場合2種類ありますが、マイクロ法人ではそもそも役員報酬から源泉徴収をしていないので還付することができません(とってないので返すお金はない)。そのため年末調整で還付を受ける場合は税務署からの還付になるんですが、その場合別途提出する書類が発生します。

源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額の還付請求

給与等の支払者が、年末調整により生じた過納額を給与等の受給者に還付する場合で、給与等の支払者に次に掲げる事由が生じたときに、その過納額について、給与等の受給者が給与等の支払者の所轄税務署から還付を受けるために行う手続です。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_55.htm

これは税務署から還付を受けるための必要な書類です。

ここでお気づきになると思いますが、年末調整で控除等の申告して還付金が出ると面倒ですし、二刀流で事業をしている場合は個人事業主として事業をしていて確定申告をするので、年末調整で申告はせず全部確定申告で申告した方が楽です。

所得税の計算は最終的に確定申告で帳尻を合わせればいいので年末調整でやらなくても確定申告で行えば問題ないです。年末調整では還付金が出るような控除の申告はせず、最低限の書類記入だけにしておきます。具体的には上記3種類の書類上部の名前や住所等の基本情報部分の記入で大丈夫です。

会社としてやること

役員個人から受け取った申告書を確認して保管する

役員個人として記入した申告書をもとに還付金等の計算をします。実際は上で述べた通り還付金が発生しないようにするので申告書は保管するだけで大丈夫です。申告書類は税務署に提出しませんが、会社で一定期間保管する義務があります。

給与所得者の扶養控除等申告書等の提出を受けた源泉徴収義務者は、その申告書等の提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間保存する必要があります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2503.htm

税務調査に入られた場合に見せれるようにしておく必要があるということです。自分の会社かつ役員が自分だけの場合は申告書を記入せず放置しがちですが、万が一のためにもきちんと管理しておきましょう。

源泉徴収なしでも必要な提出書類

個人事業主とマイクロ法人の二刀流のように、源泉徴収税がなく還付金もない場合でも年末調整で税務署に提出が必要な書類があります。税務署からの茶封筒にこのようなチェックシートが入っているので、何の書類が必要なのかはこれで確認すると便利です。

  1. 給与所得の源泉徴収票合計表
  2. 退職所得の源泉徴収票合計表
  3. 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表
  4. 不動産の使用料等の支払調書合計表
  5. 不動産等の譲受けの対価の支払調書合計表
  6. 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書合計表

源泉徴収税がない場合でも上記1~6のチェックが入った書類と法定調書合計表を提出します。税理士への報酬があったり不動産業を営んでいる人は注意して確認しましょう。私の場合は1~6には該当しないので法定調書合計表だけ提出しました。

法定調書合計表とは

法定調書合計表は全部で60種類ある法定調書のうち、上にあげた6種類の法定調書について集計したものです。

こちらは茶封筒に入っていますが、年末調整は後述するe-Taxで行うので紙の書類に手書きしなくていいです。源泉徴収なしで1~6に該当しなければ、提出者欄部分と1の源泉徴収合計表に役員報酬の合計と源泉徴収「0円」と記入するだけになります。

書類の提出はe-Taxで

法定調書合計表などの法定調書の作成・提出はe-Taxで行います。他にも書面で提出や税務署に直接行くなどの方法もありますが電子取引が推奨になっていますし、確定申告でも使うのでe-Taxで手続きしましょう。e-Taxを使った申告の詳しい手順はこちらの記事で解説中です。

給与支払報告書の提出

法定調書合計表などは「税務署に提出」するものです。これとは別に「従業員の市区町村に提出」するのが給与支払報告書です。同じく1月末までに提出する必要があります。こちらの記事で作成・提出方法を紹介しているので忘れずに提出しましょう。

実際に今年マイクロ法人を設立した私もこの記事の手順で問題なく申請できました!

マネーフォワード年末調整を使ってみた

マネーフォワードクラウド会計を利用している場合、年末調整サービスも付帯されています。

クラウド型会計ソフト マネーフォワード クラウド会計

私もスモールビジネスプランで利用しているので使ってみました!クラウド年末調整ではこんなことができます。

  • 社員が記入する扶養控除申告書などの申告書の作成が自動化できる
  • 法定調書や給与支払報告書の作成が自動化できる
  • e-Taxを使わずに申告までできる

マネーフォワードクラウド 年末調整

このように書類の作成が自動化できるので記入漏れ・提出漏れがなく、いろいろなサイトから書類をかき集めるよりもこのサービス一つで完結できるのは便利だなと感じました。私が使った時はまだ申告機能が未実装だったので申告はe-Taxを利用しましたが、扶養控除申告書や給与支払報告書はクラウド年末調整を利用して自動で作ってみました。

基本料金プランに付帯している機能ですし、従業員1名なら追加料金もないのでマネーフォワードの利用者は是非使って見てくださいね。



まとめ

この記事では個人事業主とマイクロ法人の二刀流の年末調整について解説しました。私も最初は「源泉徴収税もないし確定申告もするし、年末調整は何もしなくていいよね?」と思ってましたが実際は提出・保管する書類があったりとやることがたくさんあって面食らいました(笑)

法人と個人が同じなのでやることがごちゃごちゃになってしまいますが、法人・個人の役割をきっちり分けて考えると理解しやすくなります。

さて、年末調整が終われば次は個人事業主の確定申告です!二刀流ならではの注意点をまとめているので読んでみてくださいね。

個人事業主とマイクロ法人の二刀流の【確定申告の注意点】
個人事業主とマイクロ法人の二刀流の場合の確定申告の注意点、忘れがちな申告項目をご紹介します。マイクロ法人の給与、少額減価償却の書き方、小規模企業共済など注意点を知って正しく賢く申告しましょう。

以上、参考になることがあれば嬉しいです。

お読みいただきありがとうございました!

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