
個人事業主とマイクロ法人の二刀流で事業を始めたい!けど独立・起業なんてはじめてで会計処理がちゃんとできるのか不安…
個人事業主やマイクロ法人の事業を始めるときに迷う「会計処理」。
自分で行うのか税理士にお願いするのか、会計ソフトは何を使うべきなのか、税理士費用の相場はいくらなのか。私も個人事業主とマイクロ法人の二刀流で事業を始めたとき、実際に税理士や周囲の事業者に相談してきました。
そこで今回は私が実際に調べたことや私の今現在の会計方法、具体的な費用を紹介していきたいと思います。
- 会計処理は自分で行うのか、税理士にお願いするのか?
- 税理士費用の相場は?
- 会計ソフトの値段は?
- 申告ソフトの値段は?
- 「マネーフォワード」と「freee」どっちがいい?
では始めましょう♪
個人事業主とマイクロ法人の二刀流・会計ソフトの選び方
個人事業主とマイクロ法人の会計処理
まずは個人と法人それぞれどんな会計処理が必要になるのか見ていきましょう。
個人事業主
個人の主な会計処理はこちら。
- 日々の売上や経費の仕分け業務
- 請求書の発行
- 決算書類の作成
- 消費税の申告(課税事業者のみ)
- 確定申告
毎年2、3月の確定申告に向けた処理になります。
マイクロ法人
法人は会社設立時に決めた決算月の翌々月までに確定申告を行います。法人の主な会計処理はこちら。
- 日々の売上や経費の仕分け業務
- 年末調整
- 消費税の申告(課税事業者のみ)
- 決算書類の作成
- 確定申告
年末調整が追加されましたが1人法人であればそこまで難しくありません。難しいのは確定申告・決算です。法人の確定申告は個人の確定申告とは比にならないほど複雑なので、税理士に依頼するかを検討する必要があります。
自分でやる場合
まず会計処理は自分1人できるのか、それとも税理士に依頼したほうがいいのかについて、私の周りの事例も含めて検証していきます。
個人事業主
私の周りの個人事業主(ITエンジニア)のうち、ほぼ100%自分で会計処理をして確定申告をしています。そのほとんどがfreeeやマネーフォワードクラウド確定申告
といったクラウド会計ソフトを利用していて、問題なく確定申告まで行っています。
少数派ですが個人事業主でも税理士と顧問契約を結んでいる人もいます。理由は
ということでした。彼は税理士費用として年に30万円ほど支払っているようですが、仕事を掛け持ちしていてかなり忙しい中で、会計に関する面倒なことを一切考えなくていいので費用対効果があるとのこと。同じように考える人であれば税理士にすべてお願いするのもアリです。
おすすめ会計ソフト
個人事業主の場合、利用するのは「会計ソフト」のみです。会計ソフトさえあれば、日々の記帳も請求書の作成はもちろん、会計ソフトを通じて確定申告や納税もできます。
たくさんある会計ソフトでどれを選ぶか迷うところですが、迷ったら圧倒的シェア、コスパを誇る会計ソフト二大巨頭の「freee」と「マネーフォワードクラウド確定申告
」のどちらか選べば間違いないです。
会計ソフトの費用
ソフト | プラン | 費用 | 特徴 |
freee![]() | スターター | 約13,000円(年払い) | 基本機能のみ 消費税申告機能なし |
スタンダード | 約26,000円(年払い) | 消費税申告機能あり | |
マネーフォワードクラウド確定申告![]() | パーソナルミニ | 約10,500円(年払い) | 基本機能のみ 消費税申告機能なし |
パーソナル | 約13,000円(年払い) | 消費税申告機能あり |
ご覧の通りマネーフォワードのほうがコスパがいいです。免税事業者ならパーソナルミニプラン、課税事業者ならパーソナルプランと使い分けるといいでしょう。詳しい違いは公式サイトから確認してみてください。
一方割高ながらfreeeがおすすめの人は、法人でもfreee会計を利用する方です。法人の場合はマネフォよりfreeeの方がコスパがいいです。同じ会社でソフトなら使い方もほぼ一緒なので覚えやすいメリットがあります。
マイクロ法人
法人の会計処理の選択肢としては以下の3つがあります。
決算書類の作成 | 法人税の申告 | |
❶ 顧問契約 | 税理士 | 税理士 |
❷ 申告代行 | 自分(会計ソフト) | 税理士 |
❸ 全部自分でやる | 自分(会計ソフト) | 自分(申告ソフト) |
一般的な法人では顧問契約がスタンダードですが、マイクロ法人に限定すると顧問契約するほどではなく、日々の帳簿付・決算書類の作成は会計ソフトで自分でしている方がほとんどです。問題は法人税の申告のみを税理士に依頼する「申告代行」を使うかどうか。
個人は自分で確定申告・納税は普通ですが、法人の確定申告(決算)は段違いに難しいと言われています。必要な書類も多く計算も複雑で税理士にお願いすることがほとんどです。
私の周りのマイクロ法人経営者では7割くらいは②の申告代行、残り3割が③全部自分で会計処理をしている印象です。
おすすめ会計ソフト
①の税理士と顧問契約を結ばない限り必要になるのが会計ソフトです。個人事業と同じく日々の記帳、請求書の作成、決算書類の作成ができます。おすすめ会計ソフトは個人と同じくfreeeとマネーフォワードクラウド会計
です。
会計ソフトの費用
ソフト | プラン | 費用 | 特徴 |
freee![]() | ミニマム | 約26,000円(年払い) | 基本機能のみ |
スタンダード | 約53,000円(年払い) | ミニマムに加えて 収益・費用レポート、年齢表など利用可能 | |
マネーフォワードクラウド会計
![]() | スモールビジネス | 約39,500円(年払い) | 労務周りも含めたフル機能 |
ビジネス | 約66,000円(年払い) | スモールビジネスに加えて 帳簿残高と口座残高の突合、 消費税申告機能あり |
個人と異なり法人は会社・プランごとにできることが大きく変わります。マネーフォワードクラウド会計には一般的な会社に必要な給与・社会保険・年末調整など労務面の機能も含まれています。一方freee
は別途労務ソフトがあり、会計ソフトは会計機能のみを提供しています。
コスパがいいのはfreeeのミニマムプランです。1人法人のマイクロ法人なら労務周りの機能はほぼ必要ありません。
そして個人事業の会計ソフトがマネフォならやはり法人でもマネフォを選ぶ方が使い勝手はいいです。私もスモールビジネスプランを使っていますが1人法人とはいえ年末調整はあるので付帯機能が使えて便利でした。付帯機能の詳細はリンクから確認してみてください。
申告ソフト
「③ 全部自分でやる」場合、法人税申告ソフトが必要です。マネーフォワードやfreeeのような会計ソフトを利用してできるのは決算書類の作成まで。会計ソフトと連携して申告ソフトで申告書類を作ります。
【法人税申告ソフトの例】
申告ソフト | 費用 |
税理士いらず | 初年度16,500円(翌年度から5,500円) |
全力法人税 | 初年度約24,000円(翌年度から11,000円) |
freee申告 | 約28,000円(freeeの会計ソフトを利用していることが条件) |
自分で申告するメリットはなんといっても会計ソフトと合わせて年間5、6万円ほどの会計費用で済むことです。難しいと言われる申告処理も、シンプル会計のマイクロ法人ならできないことはありません。
費用重視で多少の手間暇をかけてもいいかどうか、個人の価値観次第で合う方法を選びましょう。
私は自分で全力法人税を使って申告しました。こちらの記事で全工程をまとめているので参考にしてみてくださいね。

税理士に依頼する場合
会計は苦手だし間違えたら怖い…。仕事が忙しいから会計は専門家に任せたい。そんな方は税理士に任せてしまいましょう。
- 顧問契約の相場:20~30万円(年間)
- 申告代行:10~15万円
こちらの記事も参考にさせていただきましたが、実際私の家族と付き合いのある税理士に見積もりをお願いしたところ申告代行は10万円、顧問料は年間22万円でした。
個人事業主の場合、法人よりも数万円安くなりそうです。ただし前述した友人は個人事業主ですが顧問料で年間30万円支払っているということなので、税理士事務所によってかなりバラつきがある印象です。
税理士の探し方
税理士はインターネットから探すことができて、税理士ドットコム などの無料サービスを使うと便利です。複数の税理士事務所に見積もりを出して比較検討できるので、相場を知ったり、極端に高い(安い)怪しい事務所と契約してしまうようなことも防げます。
顧問契約希望とか決算時の申告代行のみ希望など自分の条件も伝えられますし、自宅から離れている都心部の税理士事務所も探せます。もちろん良い事務所がなければ「やっぱり自分で申告しよう!」と判断することもできます。無料で使えるので、悩んでいる人はまず見積もりからしてみてくださいね。
二刀流事業者の筆者が選んだプラン
個人事業主とマイクロ法人の二刀流で事業をして約1年。実際の私が使っている会計ソフトはこちらです。
ソフト | プラン | 費用 | |
個人会計 | マネーフォワードクラウド確定申告![]() | パーソナル | 約13,00円(年払い) |
法人会計 | マネーフォワードクラウド会計![]() | スモールビジネス | 約39,500円(年払い) |
法人申告 | 全力法人税 | 約11,000円 (初年度約24,000円) | |
トータル約63,500円 |
会計ソフトにマネーフォワードを選んだ理由は
- 家計簿アプリ「マネーフォワードMe」も利用していて元々馴染みがあった
- 利便性を重視するので個人と法人で使う会社を統一したい
- するとfreeeもマネフォもほぼ値段が変わらない
同じ会社に統一してよかったことは、個人も法人もUI(画面の見た目)や操作が同じで、簡単に個人・法人を切り替えられるところです。
とはいえ法人のfreeeのミニマムプランは機能的にも十分で1万円以上安いので、同じ会社にこだわりがなければ、個人事業主はマネーフォワード・マイクロ法人はfreeeで最安で使うといいと思います。
税理士なしで1人で申告することを決めた理由
実は会社を作ってしばらくは決算は税理士にお願いするつもりでした。知り合いの税理士もいて費用もおそらく10万円しないだろうな、という目処はついていたんですが…
私の事業はすべてインターネットで取引先も2、3社のみ。赤字になることもほぼ確定していて、税理士にお願いするほどのものじゃなさそう、いろいろ突っ込まれるのも面倒だし自分でやろう!となりました(笑)。
結果問題なく1人で決算できたので来年以降も全力法人税を使って決算する予定です。悩んでいる方はこちらの記事もご覧ください。

まとめ
個人事業主とマイクロ法人の二刀流の会計ソフトの選び方についてお話ししました。皆さんの場合はどんな会計処理をすると良さそうかイメージがついたでしょうか?
個人的には簿記や会計の知識が身につくので自分でできることはすることをおすすめします。バランスシートを確認して資産と負債の割合をみたり、経費の仕分けをどうするかなど、苦手意識のあった会計の知識がついてすごく面白いです。(どこまで経費にできるか考えるのも楽しいです笑)
まだ決めかねているという方も、クラウド会計サービスはほとんど初月無料なので実際に使ってみて合うものを探してみてくださいね。
以上、お読みいただきありがとうございました!
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